五十肩の痛み。安静にすべき?ゴルフはできる?

カイロプラクティック開業して22年、姿勢矯正師の鈴木です。

今回は、こんな質問をいただきました。

 

50代、ゴルフ暦23年の質問者さんより質問

質問:20年来の付き合いがあるゴルフ仲間のひとりが、最近肩が痛くて腕が上がらないと言っています。病院で五十肩との診断を出されたそうです。特にこれといった治療も無く時間をかけて治しましょうと言われたそうです。
彼は「安静にすべきか、どうか」と弱気になっています。

他に特に趣味も無く、唯一ゴルフだけが楽しみな彼にとってとてもつらい日々を送っているようです。

少しでも早く治して、また一緒にラウンドしたいのですが、姿勢を良くすれば、回復が早くなりますか。

 

回答:スイングに痛みが無ければ、どんどん練習もラウンドもやりましょう!

五十肩、四十肩と呼ばれる症状は、正式な名前は「肩関節周囲炎」といいます。名前の通り関節の不具合が原因で起こる筋肉の炎症です。

炎症と聞くと、一般的には安静療法といって動かさない、使わないようにして治療します。しかし、近年では動かすことによって周りの筋肉を鍛え痛んだり、弱った筋肉を修復する療法を取る医療機関も増えています。

ですから、昔のような根性理論で気合を入れるわけではなくリハビリをして早く回復させることが最優先だと言えます。

お仲間の症状を実際に診ていませんので、ここでは通常、自分が五十肩の患者さんに薦めているケアの方法を話しますね。

 

まず、通常の肩関節周囲炎の症状として痛みが出る動きとしては、服を着るときに腕を通すとき、横や後ろから腕を上に上げるときに痛みが出ます。少し考えてみてください。

ゴルフのスイングでそのような動かし方をするのでしょうか?・・・

実はしません。ということは、それほどゴルフをやることが苦痛ではないはずなのです。無理にすることで、かえって症状を悪くするのではないかと思ってついつい大事にかばってしまっていませんか。

肩の関節や肩甲骨は動かしているようで、実際には本来の可動域まで使うことなんてほとんどありません。それによって、関節の可動範囲が狭くなっていき、筋肉もその分しか使われなくなります。そんな状態のまま、少しづつ負担がかかり炎症を引き起こします。

ようするに、ゴルフの正しいスイング。姿勢を正して関節の可動域をフル活用すれば、リハビリにもなるし、さらに上達する近道なのです。

ゴルフをすることで、症状が悪化することはまずありません。どんどん誘ってあげて、一緒に楽しんでください。

 

最初のステップ:毎日、5ミリでよいのでゆっくり可動域を広げましょう。

可動域を広げるストレッチをひとつご紹介します。

固めの円筒状の枕を用意します。(ない場合は、サランラップの芯のようなものに、バスタオルを巻きつけ、きつくハムのように紐でしっかり縛ります。直径が7~10センチ程度になるようにします。)

仰向けに寝そべり、両腕を身体からは離れないようにまっすぐ上がるところまでゆっくり耳に付くように上げます。作った枕はそのときに背中に入れます。

はじめは、お尻の所。そこで5回上げ下ろししてください。

次に、枕を腰の位置にずらします。また同じように5回上げ下ろします。

三箇所目、肩甲骨の位置です。少し上げ辛くなります。がんばって上げていきましょう。

最後に肩の位置に入れます。ここまで来ると、状態が悪いときには床から90度くらいしか上がらないかもしれませんが、構いません。ここだけ少しやり方を変えます。

ゆっくり背伸びをしていきながら、同時に足を伸ばしたままお尻を浮かせます。そうすることで、腕は少し高く上げられます。上げた状態のまま、お尻をゆっくり下ろします。それをまた、5回です。

無理は禁物なのですが、痛みを感じるところまで必ず上げましょう。昨日より今日、今日より明日というように、毎日すこしづつ痛い側の腕の可動を上げていきます。

そうすることで、痛みが回復する日数が縮まります。